社長室

2016/09/26イラストレーターわたせせいぞうの世界

9月25日の日曜日にBSフジのテレビ番組「ハートトレジャー」でわたせせいぞうが出演していた。ずっと昔から好きだったイラストレーターで、ストーリー性のある漫画も私の書庫に数冊あるはずである。一般にはカレンダーが人気ではないかと思う。もちろん、カレンダーも過去には何度か購入したこともある。今の今まで、外見がどんな人か知らなかったのであるが、70才過ぎにしては、いいセンスだと思う。

彼の作品の中で、よく出てくるのが雨上がり、しかも梅雨明けの青空。ネットで久し振りに彼の作品をゆっくり見たら、やはり心躍る。もう30才代、40才代の題材だけれど、一緒に青春に戻ってしまう。

彼の漫画も面白い。ビジネスパーソンにはお勧めである。その一つが東京エデンだったかな。もう、35年以上も前に私の結婚式で、会社の後輩たちが歌ってくれた「色つきの男で生きてくれ」という歌の通り、いつまでも溌剌と若い頃のままで生きたいものである。

漫画のモデルたちのような若者が会社に居たら頼もしいだろうなとも思う。若いが故のフットワークの軽さ、気骨のある生き方、そして燃えるような恋・・・。

2016/09/21コンサルタント精神はポピュリズムの対局

ここ数回の週末ゴルフは、台風の影響でスキップせざるを得ませんでした。今日から、久しぶりに、スタバのタンブラーの中身がアイスコーヒーからホットに変わりました。

さて、コンサルタントは、可能な限り客観的な視野で判断を下さなくてはいけません。しかし、とはいってもコンサルタント個人の価値観や生き方、人間味が判断を大きく左右することでしょう。しかし、絶対あってはいけないのは、ポピュリズムです。特に、我々の仕事の世界において、将来のあるべき社会、そして地球環境の保全を考えるならば、一般的な風潮、ややもすると感情的な世相に流されるようなことがあってはならないと思います。これは、テレビ、新聞などのマスコミが典型でしょうが、ここで発せられる情報や考えに流されてはいけません。コンサルタントは、これらを参考にすることはあっても、流されないようにしなくてはいけないと思います。そのためには、前述したように、自分の生き方、価値観を持つということではないでしょうか。

昨今、築地から豊洲市場への移転問題など、科学者としての目、技術者の目からみて低俗なお笑い番組以下の気がしています。もっと、本質を見据えなければなりません。溜り水の分析値は何も問題のない成分でした。コンクリートの箱の中の水にリトマス紙を浸すパフォーマンスは、無邪気な子供の遊びにしか見えません。環境基準以下のヒ素の含有量などどうして何日も扱われるのでしょう。地下水であることも間違いない。ベンゼンが検出されないという事実は、施された水の循環による土壌改善も効果があるように思えます。限られた情報ではありますが、豊洲市場の移転を土壌改良という視点で問題視するような深刻な問題はないように思えてなりません。地下空間に変えた経緯という政治的な問題はさておき、環境対策課題を解決し、豊洲への移転を実行することが重要ではないかと思います。こんなことが問題になるようなら、国内の他の地域で取り上げるべき問題はたくさんあるに違いありません。

2016/09/20小規模地熱発電イノベーション

従来の地熱発電事業、これを便宜的に大規模地熱発電と呼んでおきましょう。それに対して小規模発電は、常識的には5MW以下の規模で、温泉の未利用蒸気・熱水での発電まで含みます。平成11年以降の地熱発電の低迷は、地下資源開発リスク、国立公園問題などが原因として挙げられていますが、主要な問題は温泉事業者をはじめとする地元の理解が得られない開発形態にあるのです。今まで、開発事業者は地元の理解を得るために地熱の有用性や周辺温泉への影響の有無を熱心に説明してきましたが、効果はありません。

平成23年に小浜地域での環境省委託事業「チャレンジ25地域づくり事業(小浜温泉未利用温排水による温泉発電事業化実証事業)」を皮切りに本格的な温泉╱小規模地熱発電事業化が始まったといってよいと思います。以降、温泉発電事業は大分県を中心に急速に発展し、現在は九州各県、そして東北、北海道へ広がりつつあります。

小規模地熱発電事業は、大規模地熱発電とは異なり、電力会社やエネルギー会社などの大資本の事業者が発電事業を目的として開発するものでなく、地域の存続、活性化のための地域事業であり、根本的に異なるものです。すなわち、小規模地熱発電は、発電規模自体は小さいものの、地域全体の経済構造、社会構造を変革していくもので、小規模地熱発電イノベーションといってもよいと思います。

残念ながら、大規模事業者にはこのことが理解されないようですが、小規模発電は根本的に大規模発電とは異なるのです。したがって、開発の手法も違うはずですが、まだまだ従来の調査・開発手法に拘泥されていると思っています。地熱学会では、そのことを指摘したいと思います。

2016/09/01小規模地熱発電への道

地熱開発理解促進事業の一環として、長野県の諏訪市から小規模発電についての講演依頼を受け、8月30日、31日と諏訪市に行ってきました。この講演には、私の他に、つちゆ温泉エナジー(株)の加藤社長も演者であったことから、講演終了後、食事をしながらゆっくりと話すことができました。加藤社長は、400kWの小規模地熱発電の実践者であり、講演内容は非常に面白いものでした。

彼は、(1)弱みを強みに変える熱意(マイナスからプラスに)、(2)ストーリー作りの力、(3)評論家は不要だ、と地元の地域活性化をどんどん推し進めていらっしゃることが印象的でした。

私が今まで少しずつ積み上げてきたものを、氏は一気に実践し、成功されていました。私にとっても頼もしい限りであり、話を聞いて、自分の考えが間違ったものではなかったと安心もしました。意気投合して、是非、地熱開発を地域の活性化の軸にして全国に広げていきましょうということになりました。彼は「自分の都合で地熱事業をする人は、地域には要らない」ともおっしゃっていて、大規模地熱発電事業と小規模発電事業とは性格が違うということも明確に認識されています。全く、その通りだと思います。

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