社長室

2021/07/05集まれ、タレント

  • ※社員へ向けた社内朝礼スピーチより抜粋

さて、今日は暦本純一の著書「妄想する頭 思考する手」を紹介しましょう。この本は、アイデアを出すためにはどうしたらよいかを彼の体験から綴ったものです。

最初に、勉強すると言ってテキストを読むのを止めなさいということが書いてあります。

また、アイデアのもとは「妄想」が必要だと言っています。「妄想」というのは、楽しみながらの自由な発想ということでしょうか。

更に、発想の仕方を天使度と悪魔度という言葉で分け、前者は大胆な発想、後者は細心で保守的と定義づけしています。前者の天使度が大きい程、面白いアイデアに結び付いていくと言います。

彼は、研究作業に入る前に次のような項目を整理しておくことを推奨しています。

  • ① 課題は何か。それは誰にとって必要なものか。
  • ② その課題はなぜ難しいのか。あるいはなぜ面白いのか。
  • ③ その課題をどう解決するのか。
  • ④ 解決できることをどうやって立証するのか。
  • ⑤ その解決手法のもたらす効果、さらなる発展の可能性はどのようなものか。

これは、我々がプロジェクトを受注し、解析をし、成果という結論を出すときの手法と同じです。

地下深度数㎞を想定して地熱構造モデルを構築することは、自由な発想なしには実現できません。我々のプロジェクトは、新しいアイデアを出すことによって成果が出るのです。テキストを読むのは、課題の整理を行う段階で、技術的な到達レベルや論理性を確かめる時で良いのです。

エディットが求めているのは、たとえ今は地熱エネルギーに関して無知であるとしても、自由な発想ができる人、再生可能エネルギーの推進に積極的に参加したい人、そして世界や日本が抱える社会的な問題や環境問題に正面から取り組みたい人なのです。

我社の夢を一緒に実現してくれるタレントさん、是非、一緒に楽しく仕事をしませんか。

2021/07/12知的に生きよう

  • ※社員へ向けた社内朝礼スピーチより抜粋

地球環境問題、中でもCO₂の問題で火力発電廃止が進み、その代替として、今大きく再生可能エネルギーのマーケットが拡大しています。それに合わせて我々は、自分の知識を拡大し、変化させていかなければいけません。

特に洋上風力が脚光を浴びていますね。地熱業界もまた注目されています。しかし、旧態依然とした大規模な地熱発電の開発手法に則った事業展開では、出力の大幅なアップは望めそうにありません。我社が行う小規模地熱発電については、注目されてはいますがなかなか飛躍的にというところまでいっていません。それにより、300kW以下の小規模地熱発電機メーカーが撤退をしています。

なぜでしょうか。一つには、開発戦略が明確にされていないことがあると思います。

私は、小規模地熱発電の開発手法を更に細かく分けた事業展開を図ることを考えています。例えば、300kW未満の発電事業化と、それ以上の発電事業化は、開発の方法が異なってきます。1,000kW以上とそれ以下でも異なります。これを明確に認識しておく必要があります。300kW未満であれば既設の温泉井を利用することになり、調査はほとんど不要ですが、1,000kW以上であれば本格的な坑井掘削が必要であり、そのための調査も当然必要です。とはいえ、調査・探査を広範囲でしかも詳細に実施するような予算は許されません。

300~1,000kW規模の発電は、現状では空白地帯と言ってよいでしょう。発電機もこの発電規模をターゲットとしたものは有りませんし、工夫が必要な規模ですね。しかし、このような空白部分こそが、ある意味面白いと思います。

我々はお客様のニーズ、マーケットの動きに合わせて、技術を向上させなくてはいけません。従来の発想から大きく方向を転換し、フットワークを軽くして、大急ぎで成長しないと取り残されてしまいます。その点で今年は重要な年になりますし、皆さんの積極的な取り組みを期待しています。

2021/07/19現地調査でしなければならないこと

  • ※社員へ向けた社内朝礼スピーチより抜粋

先週は、現地調査で一週間を過ごしました。現地調査は、新しい情報が大量に入ってきますから、いろんな発想が可能になり、アイデアもまた湧いてくるもので楽しくはありますが、やや疲労が重なります。

現地調査では、事前の情報、既存資料で形作った概念を修正していくことが大きな目的です。調査地域の自分の考えた概念が出来上がっていなくてはいけません。例えば、地質調査では手書きの地質平面図、地質断面図が出来上がっていなければなりません。したがって、毎日の調査結果に基づいて、自分の考えが集約されていなければならないのです。

現地調査で自分のアイデアをまとめるためには、事前の調査や解析が非常に重要になります。それが課題の抽出として表現されますが、如何にしっかりと解析されているかによって、現地調査での成果の出来不出来が決まります。

事前の情報から、推定される選択肢が現地調査によって、絞り込まれていきます。例えば熱源は第四紀更新世後期の火山活動あるいは新第三紀後期の火成活動のどちらかが、現地調査によって特定されてきます。もちろん、現地調査で結論は出なくても、岩石の年代測定や変質活動の時代などの明らかにすることで、最終的に決定されます。

このように、熱源だけでなく、貯留構造、熱水流動などが絞り込まれ、少しずつ地熱構造モデルに集約されていく過程を現地でしっかりと意識し、頭に叩き込んでおかなければなりません。

現地でのイメージングがしっかりとできているほど、その後の解析や地熱構造モデルの構築、報告書の作成を、質の高いレベルに押し上げてくれます。

したがって、現地調査に行く前に、出来るだけみんなで地域の地熱構造に関する情報共有のために多くのディスカッションの機会を持ちたいと考えます。

2021/07/26仕事の質は、知識の量ではなく思考の深さ

  • ※社員へ向けた社内朝礼スピーチより抜粋

今日は仕事の質についてお話をしたいと思います。

地熱の世界はまだ解決すべき問題が沢山あります。それの問題は現場に近いところで作業している皆さん方の手中にあります。これらの解決には高校の授業で習う物理学的な思考法が必要です。それらしく書かれた教科書や解説書を読むだけでは、新しい発見はないのです。

仕事の質を上げるためにしなくてはいけないことは、主に以下のことです。

  • ① 仕事の目的は何か理解する。
  • ② 目的はどこまで求められているか分析する。
  • ③ 予め作成した実施計画書で、その目的の達成が可能かどうかについてエキスパートを交えてチェックする。
  • ④ 課題の解決の流れをイッシュツリーに纏める。
  • ⑤ 報告書の構成を詳細に組み立てる。
  • ⑥ 以上の項目を関係者で共有する。
  • ⑦ 最後に、報告書の作成提出までの作業工程を確認する。

先ず、①と②についてです。業務の目的は何かの確認です。この段階では、目的を理解することですが、通り一遍の理解ではいけません。求められている目的、そして、その目的が業務内容から導き出されるレベルにあるかどうかの確認、最終目的との整合性などが理解されていなくてはなりません。これらには③のエキスパートの評価(レビュー)が必須です。そして、流れを理解するために④のイッシュツリーの作成です。そして、⑤、⑥、⑦と流れていきます。この流れが習慣づけられるよう心がけてください。

得られたデータの意味をしっかりと理解し、多角的な視点で解析するのです。安易に結論を出さず、自分の頭で考えてください。そうすれば、我々がまだ知らない大きな発見に結び付くかもしれません。多くは徒労に終わるかもしれませんが、その過程で皆さん方に質の高い技術力が蓄えられるのです。

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