社長室

2022/1/4令和4年の新年あいさつ

  • ※社員へ向けた社内朝礼スピーチより抜粋

皆さん、明けましておめでとうございます。昨年末は大寒波到来で震え上がりましたが、年が開けて、元旦から一転して、素晴らしい天気に恵まれました。皆さんはいかがお過ごしでしたか。私は読書三昧で、ゴルフの練習にも打ち込みました。

さて、昨年、一昨年と、新型コロナウイルスによるパンデミックが世界を震撼させています。今年も収まる様子はありません。我々の誰もが、今も感染の危険にさらされていると言ってよいでしょう。

今年は、壬寅(みずのえとら)となります。寒い風冬の夜、じっと我慢した末に新しいものが生まれるという意味があり、物事が成長できる年ともいわれています。年末から数多くの本を読みましたが、今から10年前(2012年)に今年(2022年)を予測した本(神田昌典,2012)を見つけました。これが非常に面白く、今後、我々が生きる道の参考になると思い、ここに紹介します。

簡単に言えば、中国は台頭し、日本は沈んでいく。損得勘定での仕事ではうまくいかず、多くの会社が無くなる。そして、世のため、困っている人のためになるビジネスが生き残る。という予測でした。

実際に今、世界では新型コロナ禍で、貧富の格差が深刻な社会問題になりつつあります。しかも、これが今後、5年、10年と続くだろうといわれています。日本国内においても、貧富の格差の問題は海外ほど酷くはありませんが、やはり顕在化しつつあります。

加えて、SDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境、社会、ガバナンス)を考慮した事業経営が必須となり、そうではない事業や企業は世の中から受け入れられなくなってきました。また、米中の覇権争いは、世界を巻き込んでの不安定な世情を作り出しています。

このような動きは全世界に関わるものであり、我々はこの世情の中で勝ち残っていかなくてはなりません。

我社の目的は、経営理念としている、

  • ・エディットは地球の課題に挑戦する会社です
  • ・みずみずしい発想力と行動力でお客様の夢をカタチにします

ということです。地熱発電事業に貢献していくことは、先に挙げたSDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境、社会、ガバナンス)に合致したものであり、世界が必要としているものであると思っています。如何にして地熱発電の出力アップに貢献し、世の中に広められるかが、我々の大きな課題です。

そして、昨年末に皆さんが個々に作成したマンダラチャートの目標も立派なものでした。それをここ一か月ブラッシュアップして、実行していただきたいと思います。

我々には、会社の目標と自らの目標を達成し、自分たちの安定した生活基盤を確立するとともに、世の中の困っている人々に対し少しでも力になることが求められます。

この文章を書いている日に、青山学院大学が、箱根駅伝で、往路・復路とも制し、圧倒的な強さで総合優勝しました。青学の原監督は、選手の自律心が強さの源であったと話していました。20歳前後の若者たちが、自律心で物事に臨もうとしているのです。皆さん方も是非に自律心を持って仕事にあたってください。

最後に、この一年は良くも悪くも目まぐるしい一年となることでしょう。健やかな日々を過ごし、さらに成長していくことを願っています。エディットの主役は、皆さん方ですよ。

2022/1/11読書の喜び①

  • ※社員へ向けた社内朝礼スピーチより抜粋

新年あいさつでも話しましたように、昨年末から年始にかけて読書三昧の日々を過ごしました。ビジネス書であったり、予測本であったり、あるいは哲学書も含まれます。猛烈に読み、夕方には目が疲れるだけでなく、頭痛もして眠れないほどでした。それでも、読むことに集中しました。小説は除き、一日に平均すると500ページ以上でした。読書をすることは私にとって無上の喜びといってよいです。自分に読書の習慣をつけさせてくれた両親と祖父母に感謝したいと思います。何が役に立つということはない、ただ本が好きなだけという気楽さがいいのだと思います。

しかし、ジム・コリンズの「ビジョナリ—カンパニーZERO」は、私に多く感動をもたらしてくれました。将に、冒頭の1ページ目から引き込まれてしまいました。ビジョナリーカンパニーは計4冊のシリーズがあり、それぞれに名著だと思いましたが、今度の「ビジョナリ—カンパニーZERO」は、シリーズ本が出版される前の「Beyond Entrepreneurship」(1992)がリメイクされて出版されたものです。ついでながら、原著も手に入れましたので、次は英文で楽しむつもりです。

この本でもそうですが、米国の経営書や企業人は、仕事の考え方がかつての日本のビジネス、いや文化、思想に根付いているのではないか思われる部分が非常に多く含まれます。事業の成功は人材だということを強く主張しています。読書を習慣づけ、常に学ぶことが、どれだけ私の人生に貴重な財産を残してくれているか言葉で言い尽くせないほどです。

2022/1/17知的レベルの向上

  • ※社員へ向けた社内朝礼スピーチより抜粋

さて、今日は知的レベルの向上についてお話します。エディットは、地熱発電の促進を大きな目標に事業を進めています。現在の業種はコンサルティングサービスですから、事業者の事業開発を成功に導く仕事ですね。具体的には、事業者であるお客様のご要望に応えるために技術的な相談に乗るのが主な仕事です。技術的な仕事は以下の通りです。

  • ①有望地域の選定
  • ②有望地域の調査・開発計画
  • ③地元の説得
  • ④補助金の活用助勢
  • ⑤事業性評価および効率的な開発
  • ⑥建設中、運転開始後の貯留層モニタリング
  • ⑦その他、技術的な対応

これらの業務を実施するにあたり、総合的で、広範な知識が要求されます。したがって、若いうちから、専門書のみならず、エネルギー関連の書籍、経済書など広範な知識を身に着ける必要があります。

お客様は、エディットの技術者として、皆さんに期待をしています。そして、会うごとに成長の跡がみられ、技術者として人間として磨きがかかっていれば、今度はエディットの技術者としてではなく、皆さん個人を評価し、認めてくれることと思います。

そのためには①謙虚であれ、②正直であれ、そして③仕事に真摯であれではないでしょうか。そして、これらを身に着けるには、自分の至らなさを謙虚に理解し、さらなる努力をして知的レベルを向上させると同時に、人間性を磨く以外にありません。私はそのためには読書ほど効果のある方法を知りません。読書をしたからと言って、ビジネスで成功できるとは思いませんが、成功した人は確実に読書をしています。それはさておき、読書は人生を充実したものにしてくれると思います。

2022/1/24良い会社の条件

  • ※社員へ向けた社内朝礼スピーチより抜粋

さて、よい会社の条件についてお話をしてみたいと思います。皆さんはどのように考えますか。利益を十分に出す会社、楽しい会社、サラリーをたくさん出す会社、仕事が楽な会社など様々ですね。ちょっと気が利いた人は社会に貢献できる会社というかもしれません。

私はこう思います。たとえ、社長である私がいなくなったとしても、仕事の質を落とすことなく、会社の品性を保ちながら存続していくことだと。

会社が存続することとは、メンバー全員が脱落することなく、自分のするべき仕事を遂行し、しかも社会や環境の変化に対応しながら発展していくことだと思います。世界の優良企業の指標となるフォーチュン500の第一回目にリストアップされていた企業のうち、約50年後に残った企業は15%しかなかったということです。おそらく現在はもっと低い数字でしょう。会社の存続は、これほど難しいことであり、これだけで価値があることだといってよいでしょう。社会が、その会社を必要としているということなのです。

それでは会社が存続するためにはどうしたらよいのでしょうか。

昨年作成したマンダラートに、エディットを100年続く企業にすると目標設定し、自分のなすべきこと、会社がなすべきことを考えました。

先ず、人材です。ジム・コリンズの著書であるビジョナリーカンパニーによれば、正しい人材とは、規律のある人材だといわれています。すべては人から始まります。正しい人材が、理念に合致した目標を定め、理想郷ともいえる会社を作っていくのです。エディットというバスに、正しい人材がそれぞれに適したシートに座り、進んでいけば、会社は目標に向かって動くはずです。

次にクリエイティビティです。どんどんと新しいアイデアを出す人は、集中力があり、発想力がユニークで、どこか変わっている人が多いといわれます。しかし、自由な発想を許す会社の雰囲気があれば、今はそうでない人もクリエイティブな発想ができるようになる可能性は高いと思います。

また、地熱専門の会社だから地熱エネルギーに関する基礎知識や経験が必ず必要か、といえば、その必要はありません。予備知識や先入観がないほうが、新しい発想でアイデアが出ることだってありえます。

2022/1/31読書の喜び②

  • ※社員へ向けた社内朝礼スピーチより抜粋

ジム・コリンズのビジョナリーカンパニーZEROが、昨年出版されたのをきっかけに、ビジョナリーカンパニーの全5巻、少冊子2巻を読み終えて感動に浸っているので、その話をしたいと思います。

ジム・コリンズは、私がかつてより心酔していたピーター・ドラッカーの後継者を目されている人です。ビジョナリーカンパニーZEROは、初刊のビジョナリーカンパニーの前に出版されたビヨンド・アントレプレナー(1992)という本が大幅に加筆され、日本語訳されて出版されたものです。

私は、最初のページから引き込まれ、感動しつつ一気に全巻を読み終えました。この本が出た時、私は46歳でしたが、できれば30歳台の前半にこれらの本を読みたかったと思っています。ちょうど皆さん方の年齢ですね。皆さん方の人生を変えてくれると思います。

ジム・コリンズは、ビジョナリーカンパニーを出版した直後、かねてより尊敬していたピーター・ドラッカーから電話を受け、会って話がしたいとの意を受けます。そして、カリフォルニア州クレアモントに出向き、ドラッカー宅で一日を過ごし、ドラッカーに大きな借りができたと感じます。コリンズは、「どのようして借りを返せばよいか」とドラッカーに問い、ドラッカーは、「もう借りは返してもらったよ。今日たくさんのことを学ばせてもらったから」と答えます。そして別れ際、ドラッカーは車に乗るコリンズの肩をたたきながら、「最後にもう一つ、社会に貢献できるように」と付け加えています。

2009年のドラッカー生誕100年祭で、コリンズは基調講演を行い、これらのことに加えてさらに次のように述べたと言います。

「ドラッカーのアドバイスに従って、生きてきて、本当に良かったと思っています。ドラッカーにはどうやっても借りは返せません、でも違うやり方があります。ドラッカーに返す代わりに社会へ還元する、つまり社会に貢献すればよいのです。きっとこうすることで、ドラッカーに借りを返せるでしょう」

最後に、ドラッカーの言葉です。「未来を予測する最高の方法は、自ら未来を創造することだ」

皆さんもこれを真摯に受け止めベストを尽くしてください。

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